市場開拓を行い商品を普及させる『拡販応援』コラム 第13話 ランダム出展をしても成果はない
「自社の商品を知ってもらおうと様々なイベント・展示会に参加しています。しかし販売に繋がらず困っています・・・」
先日、ある経営者の方と面談をした際に相談を受けました。
詳しく話を伺ったところ、2年前にリリースした商品を市場に知ってもらいたくて全国各地の様々なイベント・展示会に参加しているそうです。中には休日返上で営業部隊を出動させて、イベントに来場される方々に商品の説明をしているとの事。
それでも1台も販売に繋がらず打開策を見出せないでいるとの事です。
販売に繋がらない要因は色々と考えられますが、商品をリリースしたからと言ってランダム出展をすれば効果があるか?と言えば「No」です。
研究開発の末、やっとの想いで出来上がった商品なのだから、早速どこかのイベント・展示会に出展したくなる気持ちは分からなくもないですが、やるべき事をすっ飛ばしても効果は出ないでしょう。
「ただイベントに出展・参加しただけ」になってしまいます。これではイベント主催者を儲けさせてしまうだけです。
社長が望むことはイベント主催者を儲けさせる事ではないハズです。
出展料は販促費として必要な投資になりますが、やるべき事は出展する限り見込み客にアプローチして、受注をして出展料以上の売上を上げる事です。
そして更に他のユーザーへ広めていく事を考えて実行しなくてはなりません。
この時多くの営業部隊及び説明員がやってしまう事があります。それは「商品を一生懸命に説明」してしまう事です。もし、出展するイベント・展示会にホットな見込み客が来場されるなら、商品の説明を一生懸命に行い何とか振り向いて欲しい!と思う気持ちも分かります。しかし、この「一生懸命に商品を説明」したり、「競合他社との違いを説明」しても見込み客には正確に伝わりません。
毎度本コラムでお伝えしております様に、「コレが欲しい」と思ってもらわなくては、次のステップに進む事が出来ないのです。残念ながら、商品の説明・競合との違いを一生懸命伝えても「コレが欲しい」とはならないのです。
大切な事なので繰り返しますが、商品の機能や特徴を伝えるだけの「一方通行的な営業」をしていては、見込み客は逃げてしまいます。
私は、サラリーマン時代に様々な分野の市場で営業を経験しました。
中には自社商品と連携させて他社の新規事業商品も積極的に提案・受注をして参りました。
受注した案件では共通している事があります。
それは、「一方通行営業をして売れた商品はただの1台もない」と言う事です。
業界初!世界初!!と謳う新商品でも例外はありません。
一方通行営業で受注できた試しがないのです。
仮に奇跡的に売れたとしても、物凄く時間と労力がかかってしまいます。
そんな事をしているなら「コレが欲しい」を作って積極的に提案に行った方が速くて成果も出るのです。
業界の仕組み的に、それなりに「自然と売れてしまう」ケースもありますが、誰も喜んで購入する訳ではないので値引きを要求されて儲かりません。
売れないよりマシだ!と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、担当する営業マンが疲弊する事でモチベーションが下がるだけではなく、離職してしまう等の問題があります。
「人財」と言った大きくて大切な財産が流出してしまう事は避けたいものです。
展示会に来る来場者の目的は何でしょうか?
大多数の来場者は、半年から2年・3年先に購入する事を想定して、情報収集に来るのではないでしょうか。
「我が社には、どんなモノがマッチするのだろう?」
こう言った想いで情報収集するのではないでしょうか。
その見込み客に対して、「当社の商品の機能は、○○で・・・」と商品の説明は必要ですか?
特に法人の場合、購入意思決定権を持つキーマンになる方が来場するケースは少ないのではないでしょうか?
闇雲に粗品とパンフレットを配っても、よほど効果的な手法でもない限り実践しても販促費を垂れ流している状態になってしまいます。
粗品や景品をガンガン配布するのは、資金が豊富にある大企業にお任せすれば良いのです。
中小企業は大企業にはない、もしくは実行できない面白いアイデアと大企業に勝るとも劣らない技術力をもって商品を開発します。私は、仕事柄様々な企業の商品を目にしますが、中小企業には魅力的な商品が多いです。商品を見せて頂き、話を聞いているとワクワクしてきます。
「この商品が○○に有ったら喜ぶだろうな」と。
ただ、社内にある仕組みが大企業と比較すると足らないのです。
先ほど申し上げた通り、一方通行営業ではシェア獲得は困難です。
そして、武器を持たずに戦いに行っても勝てません。
社内にシェアを獲得するための仕組みが無ければ作れば良いのです。
御社の商品を待っている見込み客は、必ず居るでしょう。
ただ今は出会えていない、または欲しいと思っていないから受注していないのです。
しっかりと仕組みが出来て、実行すれば高確率でこう言って頂けるでしょう。
「この会社とこの商品が有って良かったー!!!」
休日返上でイベントに参加してくれる従業員のためにも、売れる環境を作って行きましょう!
御社の打ち手は、売上に繋がっていますか?