市場開拓を行い商品を普及させる『拡販応援』コラム 第14話 属人的な事をしていたら、いざと言う時に対応が困難になる
「新市場を担当している営業マンが今月で退社することになりました。あの市場は私をはじめ社内にいる他の者も詳しくないので、せっかく市場開拓を進めていたのに継続できるか不安で・・・」
先日ある製造業の経営者の方と面談した際に不安を口にされておりました。
話を詳しく伺ってみると、既存市場は縮小傾向に有り、且つ競合が沢山存在しているため新市場に活路を見出そうとしていたそうです。
退社する営業マンは、ただ一方通行的な営業をするのではなく、市場に耳を傾けることでお客様に刺さり、支持を受けて、「よしっ!これからだ!!」と言ったタイミングで退社してしまうとの事です。
営業活動で一番大変な新規開拓も自ら考え実践したとの事で、会社として絶対に手放したくない人材です。
ここで問題なのは営業マンではありません。営業マネージャーでもありません。
社内に販売・営業ノウハウが蓄積されておらず、営業が属人的になっているので代替えが効かない事が問題です。「販売・営業」と言った企業活動で最も難しく、重要な部分を社員に丸投げしてしまった経営陣に問題があるのです。
製造業は技術力と開発力に力を注ぐのは分かります。しかし、「作れば売れる」と言う事はありません。
必ず営業とセットで市場に向き合わなければ、社長をはじめ技術者が想いを込めた新商品が市場から支持を受ける事はありません。
ほんの一部の優秀な営業マンに頼りっきりになると、万が一その営業マンが抜けてしまう事の代償は、想像するより大きいのです。
同じ商品を提案しても、販売・営業ノウハウが「有る」のと「無い」のでは、結果はまるで違ってきます。商品を「ハードウェア」とすると、販売・営業ノウハウは「ソフトウェア」です。ソフトウェアの中身は、新規開拓のやり方から売上・利益を上げる方法が書き込まれています。
この「販売・営業ノウハウ」と言う名のソフトウェアを営業部隊にインストールする事で会社は強くなります。ソフトウェアは、操作と言う実践を積む事で学習します。
そして、実践を積めば積むほどバージョンアップします。
みんなが優秀な営業マンである必要はありません。
むしろ、優秀な営業マンを集めることの方が困難であり、非現実的です。
だからこそ、社内に販売・営業ノウハウを蓄積して仕組み化する必要があるのです。
前回のコラムに綴りましたが、「業界初!世界初!!」と謳った最新鋭の商品でも、やり方を間違えると販売活動が大苦戦してしまいます。
見込み客には、業界初なんて関係ないのです。「業界初?だから何??」です。
営業部隊が受注してくる金額は会社の業績に直結します。
会社の業績を向上させるためには、ハードだけ強化しても成果は出ません。
ハードとソフトのバランスが重要になってくるのです。
現に冒頭の経営者の方は、ほんの一部の優秀な営業マンと言うソフトがアンインストールされる事で、新市場への継続活動が出来るのか?と困ってしまっています。
社員の退社要因には、自社の魅力だけではなく、家の事情により退社せざるを得ない事があります。地元に戻って家業を継ぐ、体調を崩した親の側に居て支えながら別の事をやる。
これらは会社がコントロールし切れる現象ではありません。いつ起きるか分からない現象です。だからこそ万が一に備えて対策を打つのです。
やるべき事は、社内に販売・営業ノウハウを蓄積して、みんなで実践できる様に仕組み化する事です。
御社の商品・サービスを必要としている、未来の顧客のために販売・営業ノウハウを仕組み化して行きましょう!!!
御社は、販売・営業ノウハウを仕組み化していますか?